五医聖ジャー 鍼灸祭に寄せて

  • 2013.05.22 Wednesday
  • 11:14

先日5/19に今年33回目を迎える鍼灸祭(はりきゅうまつり)が開かれました。
温和堂が鍼灸学校の学生のころから参加しています。お祭りといってもお神輿がでたり屋台の焼きそばがあったり、という賑々しいお祭りではなく、いつもお世話になっている鍼やもぐさといった道具、鍼灸という優れた医術を私たちまで伝え続けてくださった大先輩の先生方、そして鍼灸を含めた東洋医学の医聖達に感謝の気持ちをお伝えする行事です。画像の五色の掛け軸には医聖のお名前が書かれています。鍼灸は特定の宗教に基づいた医術ではありませんが、古代中国の易経という思想と根を一にした身体観をもって人とからだを観ています。この五色も陰陽五行説という古代中国の思想からきています。五色については春にご紹介した鶏肉のコラムでも簡単にふれていますのでご参照ください。

 中央の黄色は、「黄帝(こうてい)」。東洋医学の医祖、黄帝です。佐藤製薬の栄養ドリンクの名前はこの黄帝にちなんでいるそうです。鍼灸のバイブル「黄帝内経」で、皇帝であり優れた医師でもある黄帝との問答に答える弟子として登場する岐伯(きはく)の名前が黄帝の右横にある白掛け軸に並びます。
「黄帝内経」には、季節毎のからだの変化と病、地勢に影響されるからだと病、時間により変化するからだと病、といった天文学や気象学のような内容から、診察方法、病の趨勢の見方、人の一生の流れと病、医師のあるべき姿というような実践医学まで幅広く網羅されています。最近では薬草酒のTVコマーシャルで有名になった「女は七の、男は八の倍数(女性は七の倍数の年齢、男性は八の倍数の年齢のときにからだの変化が現れる)」や」「未病を治す(病になるまえに病の芽を治す)」も黄帝内経が原典となっています。数千年経た現在でも、黄帝内経に記された多くの知識は高度に実践的で科学的です。

 黄帝の掛け軸の左横には春秋時代に活躍したといわれる「扁鵲(へんじゃく)」。”漢方医で脈診を論ずる者は、すべて扁鵲の流れを汲む” と後世に言葉がのこる、脈による診たての名医です。三国志に登場する名外科医華佗(かだ)も心酔したと伝えられます。扁鵲の脈診と黄帝内経の知識を得ることで名医となり無実の罪に問われることとなった前漢の医師、太倉公・淳于意(じゅんうい)は青い掛け軸に名前が揮毫されています。この師弟ともいえる二医聖は、司馬遷の史記の列伝「扁鵲倉公列伝」で伝えられ、診たての二名医の医術を知ることのできる優れた医書として、黄帝内経素問、霊枢とともに絶えることなく写筆されてきました。
ここまで四医聖はすべて紀元前の名医たちですが、一番奥の黒い掛け軸には、後漢期に「鍼灸甲乙(こういつ)経」を著したことで知られる皇甫謐(こうほひつ)の名前が見えます。生年と没年がはっきりとわかる人物です。また、甲乙経は日本に伝来した年数も562年と記録がのこされています。任那が滅びた年だそうです。皇甫謐が黄帝内経の素問と霊枢、明堂経を整理し、かつ刺鍼の深さなど具体的な用法、用量などの補足を記した実用書であることから、貴重な医書として受け継がれてきています。日本における鍼灸治療の最古の記述は、414年に新羅の医師が允恭天皇へ施したものとされていますので、甲乙経の伝来が日本の医術に大きな指針を与えたことは想像に難くありません。実際大宝律令が施行された際、甲乙経は医者の必修教科書となっています。

非常に簡単に、医聖たちをまとめてしまいましたが、温和堂もまだまだ勉強の過程にありましてこちらでご紹介した古典をしっかりと読みこんでいるわけではありません。
毎年、医聖たちのお名前をまえにして、この一年はどれだけ先人たちのすばらしい教えを実践することができただろう?今年はすこしでも近づけるように精進しよう!とこころに誓う、そんな一日が、鍼灸祭です。

                参考 (Wikipedia)
               黄帝内経   http://ja.wikipedia.org/wiki/黄帝内経
               黄帝     http://ja.wikipedia.org/wiki/黄帝
               扁鵲     http://ja.wikipedia.org/wiki/扁鵲
               淳于意    http://ja.wikipedia.org/wiki/淳于意
               

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