福茶梅うめ

  • 2014.01.04 Saturday
  • 17:07
福茶午年、平成二十六年、2014年が始まりました。今日、四日は温和堂の施術始めでした。東京は暖かく穏やかな三が日となりました。旧年中沢山の方々から温かいお心と数多くの大切なことを教えて頂きました御礼を申し上げます。また、本年もよろしくお願い致します。
お正月といえばお雑煮とお節ですが、温和堂が一年の始まりに頂いたのは、福茶。茶碗の中に梅干し一粒と軽く焙じた細切り真昆布を入れ、六十度位まで温めた水出し昆布水を注ぎ、歳神さまへの献上のあとに頂きました。

白状します。温和堂は年末の美食美飲が過ぎたことによる、慢性的な胃もたれのまま新年を迎えました。元日朝から元気にお節やお屠蘇、お雑煮を頂ける状態ではありませんでした。福茶を飲みきり梅肉と昆布も食して、種を口の中で転がしているうちにようやく胃がスッキリとしてきました。日頃の細やかな養生の大切さが痛いほど身にしみます、はい。毎年恒例の年末胃腸いじめ、来年のお正月はスッキリと迎えたいものです。

さて、福茶です。京都・六波羅蜜寺で正月三が日に振舞われる皇福茶(おおぶくちゃ)が有名ですね。平安初期951年に京の町に蔓延していた疫病に悩む村上天皇の勅命をうけた六波羅蜜寺の開祖・空也上人が民間伝承の梅干しと昆布入りの薬茶を施したことを起源とするそうです。
梅の種は日本各地の弥生時代の古墳から出土しています。そのため現在の考古学では梅は稲作とともに中国大陸から伝来したと考えられているそうです。薬用の梅実は遣隋使によって日本にもたらされたそうです。これは烏梅とよばれ、青梅を燻煙し乾燥させたもの。漢時代中国最古の薬学書「神農本草経」にも咳止めや下痢止めなどに効くとして烏梅の記載があります。平安中期に著された日本最古の医学書「医心方・食養篇」にも烏梅の記載があります。胃もたれに関する項目だけ抜粋します。味は酸、性は平=温めも冷ましもしない。無毒。腹が張って苦しい状態を整える。

現在日本でよく目にする梅干しには、赤紫蘇漬けと塩漬けがあります。塩漬け梅は白梅と呼ばれ、先述の空也上人の福茶に入っていたものはこちらと考えられます。平安時代はまだまだ白梅は上流階級だけが口にすることのできる貴重な薬剤でした。その後武士の兵糧として重宝されますが江戸時代にはいるまでは高価なものでした。梅干しに赤紫蘇漬けを加えるようになったのは江戸時代初期の元禄年間。泰平の世となり、江戸幕府により梅実の栽培が推奨され、庶民の台所でも梅干しが広く漬けられるようになったことで、赤紫蘇の鮮やかな赤が好まれるようになったのでしょうか。赤紫蘇漬けの梅干しも塩漬けの白梅もあまり効能に差はないのだそうです。

宜禁本草最後に、安土桃山時代の医聖、曲直瀬道三により編まれた「宜禁本草」より白梅の記述を一部意訳します。

白梅は塩辛く、酸味があり無毒。塩漬けにし日干ししたものを密閉容器で貯蔵したもの。消化器官に滞留した未消化物を捌く。
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