かもしもん:微生物とともに生きる〜寺田本家酒蔵見学に参加しました!

  • 2014.11.22 Saturday
  • 21:49
寺田本家 井戸11/22は、今年11回目の新月の日、和暦の神無月朔日です。
二十四節気では小雪(心持ち寒くなってくる)に入るのですが、関東はとても暖かな小春日和の一日でした。

そんな11/22、温和堂は千葉の香取郡神崎に江戸時代から300年以上つづく酒蔵・寺田本家さんの御蔵見学会に参加してきました。醗酵自然食の先生、わらじデリの高山晴代さん主催のこの日のこの会に参加することができたことに感謝感謝です。

目、鼻、耳、皮膚、舌と五感で微生物の醸しだすちからを堪能しました。

24代当主 寺田 優さん「今日はたくさん菌を連れて帰ってくださいね!」というご挨拶で出迎えてくださったのは、24代目当主の寺田優さん。 お言葉に甘えまして遠慮なく数多くの幸せで元気な菌さんたちとともに帰宅させていただきました。ありがとうございます!!

試飲をして感じたこと。
じっくりと時間をかけて醸造されたお酒は、飲み急がない。じんわりとゆったりと五臓六腑に沁みわたりからだとこころとたましいとをやんわりとつないでくれました。
丁寧に時間をかけてつくられたお酒はまさに百薬の長。飲んだあとに頭がいたくなったり二日酔いになりません。
微生物が時間をかけて醸しだすうちに栄養価もケタ違いに高くなるのだそうです。お米の栄養素の数80〜90ほどですが、日本酒に醸造されると栄養素の数は400を超えるのだとか。百薬の長の称号は伊達ではないのですね。

そして見学全体を通して、寺田本家さんは「手づくりにこめられたおもい」が醸されている場=環境なのだなぁ、と感じました。 
清潔な酒蔵酒蔵入口付近の巨大な甑(酒米を蒸す木桶)の鎮座するスペースは、きれいに洗いきよめられていました。お酒の醸造をする菌たちが快適に過ごせる環境だとい うことを肌で感じます。こしきの脇には、蒸し作業で使う麻布(50年も使い続けているのだとか!)を洗う桶がありました。
「酒造りの仕事のほとん どは、掃除や洗濯、温度管理といった環境づくりなんです。そしてうちでは蒸し布の洗濯といった作業なども含めてできるだけ、手で行おうとしています。手作 りだから出せる大事な味があると思っています。」自然酒に特化した酒造りをするように転換されてからは、材料だけでなく製法も自然な手作りを目指している のだそうです


環境の他にお酒の味を大きく左右するのは、材料。寺田本家さんでは近在で古くから栽培されつづけている無農薬栽培の在来固定種酒米のみをつかっての酒造りをされています。麹も自然な手作り。杉板壁の麹室は温度湿度は高いのですがとても居心地のよい空間でした。きくと見えないところに工夫がありました。杉板の外や床には炭が配置され、磁場の調整もしているのだそうです。
麹麹菌、酵母菌、ほかのいくつかの菌が同時に作用して醸されるお酒は世界広しといえど日本酒だけなのだそうです。
「要らない菌なんてないのだと思います。」と24代当主。地球上には天文学的な種類の微生物がおり、私たちはそのほとんどの性状をいまだよく知りません。どの菌も醗酵になんらかの役割をもっている可能性はおおいにあるのだそうです

生酛NHKの朝のテレビ小説「マッサン」、今週は広島の酒蔵が舞台でした。蔵人たちがもと摺り歌を歌いながら桶の中の酒米を摺っているシーンがありました。あの摺っているしろいものは、生酛(きもと)または酒母といいます。酒米が酵母菌醗酵する前段階として、乳酸菌醗酵を行い、乳酸菌の働きによりほかの菌の繁茂をおさえ酵母菌が主要の発酵菌となる環境をつくるための手法で、江戸時代に確立された伝統的製法です。この手法でつくられる日本酒を生酛(きもと)づくりといいます。
生酛は蔵のなかに自然に存在する乳酸菌をとりこみながらできるため、時間がかかり、労力も大きいため、明治期になると生酛づくりの工程を省略し短時間で酵母菌を活性化させる方法があみだされ(山廃仕込みや、乳酸を加えてつくる速醸酛)、生酛づくりの酒蔵は激減していったそうです。
低温でしっかりと糖化させる
生酛づくりは、生命力の強い酵母菌により高いアルコール度数でも味が落ちないという特徴が、また生酛づくりの酒には、乳酸菌醗酵の影響から少し酸味があるという特徴もあるそうです。
寺田本家さんで、この伝統的生酛づくりで醸造しているのは、五人娘だそうです。

酒蔵見学時には、生酛づくりをする時期ではなかったのですが、寺田本家で実際に歌われている酛摺り歌をご披露していただきました。

もろみ最後に、もろみ(原酒)樽の見学。酒母に麹・蒸米・水を加えたものがもろみ(=原酒)。1日目、1週間目、2週間目と並んだ酒樽それぞれの香を実際に嗅いでみると醗酵度合いの違いを感じることができました。醗酵の際に発生する二酸化炭素の気泡も醸造期間の長さに比例して増えていました。






3年ほどまえになります。寺田本家さんのことをよく存じ上げずに、五人娘を頂いたことがありました。
飲んだ後、わけもわからず不思議と感動してしまいました。
その時はなにがそんな感動を生んでいたのかよくわからなかったのですが、今回寺田さんの自然酒づくりへの姿勢と酒蔵から醸しだされている微生物、お米、お酒への畏敬のお気持ちがあの感動の源だったのだ、ということがわかりました。

手作りは単なる手作りではないのですね。こころづくりにもつながるのですね!

長文およみいただきありがとうございました。

来年3月15日にお蔵フェスタが開催予定だそうです。毎年数万人の参加者がある大きなイベント。運がよければ寺田本家さんの酒蔵見学にも参加できるかもしれません。
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